2015年02月13日

丹下健三が見た丹下健三 展

設計作業に没頭していると、考えが深まり鋭くなってゆくに連れて周囲が見えなくなって来ること
があります。そんな時、一旦その場を離れて自分を客観的に見る俯瞰的な視点が欲しくなります。
世阿弥の言う「離見の見」というところでしょうか。
そこで模型を作っては眺め、撮影し、更には工事が始まってからも建物を撮影します。写真という
フィルターを通すことにより自らの手を離れ、外部から客観的に眺めることができるのです。更に
写真をトリミングするという作業を通し、俯瞰的な視点に立ちながら設計をより先鋭化してゆくこ
とができます。
丹下健三は言わずと世界に名の知れた巨匠でしたが、彼とてもこうした作業の中から作品をつくり
出していたのです。似たようなアングルの多くのカットが展示されており、その中の選ばれた1枚
にトリミングが入れられているのですが、その線もまた揺れ、あるいは2本引かれています。そこ
には完成された彼の建築からは想像のできない、様々な迷いがありありと表出されているのです。
そのひたむきに推敲を重ねる姿勢には、私の心に深く響くものがありました。

丹下健三展01.jpg


丹下健三展02.jpg

posted by shibata-arch at 20:27| Comment(0) | 建築